ローラーへのこだわり

金属には、展性(たたくと拡がる性質)と、延性(引き伸ばすと延びる性質)とがあり、金属加工にはこの両方の性質が使われます。

特に金・銀・プラチナといった金属はこの展延性に非常に優れており、ジュエリー制作にこれらの金属が使われるのは、その展延性による加工のしやすさの為なのです。

また金属には、叩いたり・延ばしたり・曲げたりといった物理的な力が加わることで硬くなる性質があり、この様ににして金属の高度を上げることを、「鍛える」(きたえる)と言います。

硬くて切れ味のよい刀なども、金属を鍛えることによって生まれます。

これらの事を踏まえて、今回は「ローラー」とという道具を紹介したいと思います。

オクスタットのジュエリーを作るにあたって、とても大切な道具なのがこのローラー。

2つの鉄鋼でできたロールの隙間を少しずつ小さくしていきながら間に何度も通して金属を引き延ばしていき、必要な厚さの板を用意します。

何度もローラーに通すうちに金属はしだいに鍛えられてゆき、とても丈夫な金属が出来上がります。しかも10分の1ミリ単位で好みの厚さの板が用意できるという利点もあります。

金属を溶かして型に流す鋳造(キャスティング)で得られる金属は、鍛えられることなく仕上げられるので残念ながら丈夫さの面では断然劣ってしまいます。

従って鋳造によって作られるジュエリーは必要以上に分厚い仕上がりになっていることが多いです。

オクスタットのジュエリーは、あくまでこのローラーを使って鍛えられた金属にこだわって作っています。

お客様にもなるべく長持ちするジュエリーを身に着けていただきたいですし、せっかく心を込めて作るジュエリーですから、丈夫な金属をベースにして作らないともったいない!というわけです。

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