オーバルカボッションの爪留め

カボッションカット(ドーム状のカット)の石を爪で留めると、

独特の豪華さがでる様な気がするのは私だけでしょうか?

今回は、オーバルカボッションの石を立爪で留める技法を紹介します。

①まずは、石の幅と10分の1mm単位でピッタリ同幅の板を用意して、ミツロウで石を直接板に張り付け、針で石の外枠線をマークします。石の中心がわかるようにしておくと後で目安になって便利。ミツロウをはがして石をとると、下の写真のような線を引いた板ができます。

② ①で引いた線にバチカン(チェーンを通す輪っか)を通す輪も描き足して、切り取ります。

③  爪の配置を決めるため、同じ長さに切った爪を6本用意して、粘度の上でいろいろと置いてみて自分の気に入るポジションをみつけます。これだ!という配置が見つかれば、上の左右対称に並ぶ二本、下の二本の爪の間の距離を測り、上下が同じ幅になるようにさらに調節してから、最終的な2本の爪の間の距離を決定してメモをとっておきます。

④  ③でメモをとった2本の爪の距離と同じになるようにコンパスで上下の爪の場所に印をつけて、まず最初の1本目を配置。爪の直径と同じ溝を土台の印のつけた箇所に彫って、U字型に曲げた爪を用意してクリップで挟む感じで設置し、ロウ付けします。(クリップ式に挟むことで、ロウ付け中に爪が動く可能性を排除します)内側に銀ロウがまわってしまわないいように注意。

⑤ ④でロウ付けした爪の左右対称の位置にある爪を、④と同様にロウ付け。続いて下の2本も同じように1本ずつロウ付け。最後に上下の爪の真ん中(コンパスで真ん中をみつけます)に位置する爪も1本ずつロウ付けします。最終的には下の写真のようなものができあがります。

⑥ 爪の余分な長さをカットし、全ての爪が同じ長さになるようにヤスリとペーパーで調整。

⑦ バチカンを溶接。石を留める前に石枠の内側やキワなど、石を留めてからでは磨きにくい部分を磨いておきます。

⑧ 合成樹脂(石留め専用のもの。松ヤニみたいな使用感。)をつけた木の棒に土台を貼付けて、石を留めます。石を留めてしまってから、爪の先の形を美しくヤスリと切りタガネで整形します。もちろん、石に傷をつけてはいけないので、慎重に気長に、少しずつ削っていきます。

爪留めは美しく仕上げるにはやはり時間がかかる技法です6本なら6本の爪がしっかり対称に配置されていることが美しさの秘訣。石の存在感が一番際立つ石留めテクニックです。

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