立爪留めのリング

立爪留めのセッティング(石を留める枠となる構造)を作るときは、かなりの集中力が必要で、

いつも集中が途切れないように一気に作ってしまう傾向があり、

なかなか制作過程の写真が撮れません。 涙

時間も手間もかかる立爪留めですが、

ファセットのある石が一番引き立つ留め方でもあります。

写真を並べてみても途中どうなっているのかが分かりにくいかと思いますが、手元にある写真だけでも紹介してみようと思います。

 

写真上左:石が上に乗る台となるパーツは地金を輪っか状にきりとりロウ付けは一切せずにチューブ状にしたもの。

(詳しくは、過去の記事「ロウ付けなしの輪っか」を参考してください。)

写真上右:石枠成形台。これを使ってチューブを美しいコーン状に変形します。

 

写真上:石にギリギリ隠れる直径となる部分までコーンの高さをヤスリで減らし、石が入る様にコーン状のバーで内側を削ります。

 

写真上:指輪本体部は直接地金から切りとります。

 写真上:それぞれの爪(丸線)がすっぽりと収まるように4つの溝をやすりとバーを駆使して用意し、1本ずつ順番に、それぞれの爪が向かい合うようにロウ付け(溶接)していきます。コーンの形を強調するかのごとく、石台の下の方では爪は深く入り込むようにしています。

 

写真上:指輪本体はこのようにヤスリで形を整えておきます。

 

写真上:セッティングが完成したら、セッティング側に溝を作って、指輪本体がパズルのようにピッタリと収まるようにしてロウ付け。

写真上:余分な部分を切りとったり削ったりして、石で隠れる部分はあらかじめ磨いておき、石を留めます。指輪の石留めは写真右のように木製クランプ(木万力)にしっかり挟んで作業ができるのでちょっと楽チン。

石がしっかり留ったら、長過ぎる爪の部分を糸ノコで切り取り(爪の直径の85パーセントくらいまで切り込みを入れ、ペンチで取ります)、石に触れない様に気をつけながら爪の先を丸く美しく、丁寧に仕上げて完成!石にキズをつけないように気を使うので、とても神経を使う工程です。

ここで使用の石(ブルートパーズ)はモチロンキズの無いカットも磨きも文句のつけようのないクオリティのものを使っているので、出来上がりの輝きにはうっとりしてしまします。

世間でよく見かける立爪留めのジュエリーは、それぞれの爪がちゃんと向き合っていなかったり、一番最後の「爪の先を丸くする」という工程が満足にできていなかったり、ということが多く、残念ながら立爪留め本来の魅力が引き出せていないことが多いです。

立爪留めはとにかく根気!です。

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